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オーシャンパドリング / ライフセービングスポーツ  ·  2019/07/07

綾蝶と僕

Ayahavela SSS初期モデルで出場
Ayahavela SSS初期モデルで出場

2008年を思い返して

奄美シーカヤックマラソンに出場しました。
昨年やりたかった原点回帰を無事に終えました。
11年経ったいま、新しい一歩を踏み出すことができそうです。

僕の母方は奄美大島の出身です。
いろいろありましてそのことを認知したのは父が亡くなったときでした。
2007年の暮れに、事情があって、2008年の夏に母方のお墓まいりをしようということになり初めて奄美大島にいくことに。
どうせ行くなら何かしたいと考えました。
シーカヤックマラソン大会にたくさん出場していた友人の菊地くんから
奄美大島でシーカヤックマラソンがあり、日本最大級で素晴らしいと聞いていたので
お墓まいりをこのレースの日程に合わせることにしました。
ネットで検索をして見つけていた坪山さんと白畑くんのブログに、
坪山さんが製造したアヤハブラというサーフスキーのことが書いてありました。
アヤハブラはアゲハチョウのアサギマダラのことを指し、島から島を渡るこの蝶のように島を渡る舟という意味があると知りました。
とても興味深くブログをチェックしていた僕は、奄美シーカヤックマラソンにこのスキーで挑戦したいと閃いたんです。
さっそく坪山さんにメールを送って、アヤハブラの注文の相談をしました。

じわじわと沁みてくる島の空気

坪山さんの親身なメールでのヒアリングで注文が完了。

艇はレース前日に古仁屋で納品してもらい、レースに臨むことにしました。
アヤハブラを楽しみにしつつ、当時の自分なりに半年ちかく練習をしました。
それでも30km以上も漕ぎ切れるのか不安しかない状態でしたが、
菊地くん落合くんと、僕の同伴者と4人で羽田空港を発ちました。
奄美空港につき、古仁屋に向かう前に菊地くんの案内で「番屋」に行きランチタイム。
海鮮丼とイカ墨汁の染み入るような美味しさは今も忘れずにいます。
古仁屋に着くや否や、坪山さん製作のカヤック&サーフスキーを駆るパドリングチーム「スコフィッツ」の皆さんがコース下見船が出港するからと誘ってくれて挨拶もそこそこに大島海峡に出航。
坪山さんをはじめスコフィッツのみんなが初対面の僕らにまるで前から知り合いのようにいろいろな話をしてくれてすっかり和みました。
レースコースを一周してきたときには、島の空気がカラダに沁み渡っていました。

かつてない達成感を得たから

そして遂にアヤハブラの納品。

坪山さんから説明を聞きながら進水式の儀式を。
いざ進水!
驚くほどの安定感と滑走感に雄叫びを上げながら漕いでしまいました。
あの感動は今もアリアリとカラダに残っています。
不安しかなかったレースにワクワク感が高まりました。
レースは想像していた以上に辛く楽しく、かつてない達成感を僕に与えてくれました。
別の機会に、当時書いたブログをこちらに再掲したいと思います。
このレースのゴール付近で荒木汰久治選手に遭遇しました。
その後、日本最長30Km以上のこのレースのゴールラインを通過したときに、
モロカイチャレンジに挑もうと頭に浮かびました。
ゴール直前に荒木汰久治選手に声を掛けられたことがスイッチを押したんだと思います。
当時は、モロカイチャレンジに日本からチャレンジするのは国内トップレベルのパドラーばかりでした。
僕のような三流パドラーが挑戦するなんて、あり得ないという雰囲気がありました。
しかし安定とスピードを兼ね備えたアヤハブラとなら僕にだって挑戦できるんじゃないかと感じたんです。
事実、親しい友人から「日本の恥を晒すから辞めろ」と言われもしました。
それでも僕の決意は揺らぎませんでした。
奄美シーカヤックマラソンでアヤハブラと共に得た達成感は根強く心にありました。
それが僕にとっての根拠でした。

モロカイチャレンジ2009、荒木選手を追いかけて
モロカイチャレンジ2009、荒木選手を追いかけて

そして2009年5月、アヤハブラと共にハワイに渡りモロカイチャレンジに出場しました。

たぶん僕は日本から挑戦した初めての三流パドラーだったと思います。
アヤハブラのおかげで完漕できました。
いま思い返しても、アヤハブラに出会ったことで、僕はすっかり人が変わってしまったことが自覚できます。
その、変わってしまった自分は悪くないなぁとも思っています。
それからというもの、漕ぐことを生活の中に溶け込ませて暮らしています。
モロカイチャレンジを目指す練習には、
ひと漕ぎひと漕ぎに祈りを込めての御百度参りの心境も含まれてました。
その願いは残念ながら叶いませんでした。
そのことが最初は重くのしかかっていて、
時間が経つと共に軽くなっていると感じていましたが、
どうやら自覚症状がないだけでまだ引っかかっていると気づきました。
それをどうにかしたいという動機もあり、
去年奄美シーカヤックマラソンに元祖アヤハブラで挑んで大島海峡で自分に問いただしてみようと思い立ったわけです。
去年は台風でレースが中止になりました。
一年間、他の機会に自分に問いただしてみましたが答えやヒントは得られませんでした。
やはり奄美シーカヤックマラソンでなくてはダメそうだと思い、
楽しみに当日を待ちました。
スリ浜チェックポイントにて。森さんの撮影です。
スリ浜チェックポイントにて。森さんの撮影です。

スコフィッツの植田さんからアヤハブラSSS初期モデルを貸してもらいました。

僕の水色のアヤハブラと同じモデルです。
元々はスコフィッツの町田くんが使っていた艇で、
僕の艇より少し早い生まれの兄艇です。
この艇なら、僕を原点に連れて行ってくれるだろうと想像していましたが、
まさにその通りになりました。
大島海峡、加計呂麻島を感じながら漕ぐことがテーマだったので、
3か所ある各上陸チェックポイントで休憩をしてバナナを食べながら雰囲気を感じることにしました。
ボランティアの学生さんたちが親身になって麦茶やバナナや素麺を勧めてくれました。
たくさんいてくれるのはわかっていましたが、
落ち着いてみてみると思っていた倍の人数はいました。ビックリしました。
次々とチェックポイントを急いで通過していく選手を見送りながら、
その気迫がヒリヒリと伝わるベストポジションで観戦できてラッキーでした。
休憩するとその都度、力が漲り元気になりました。
ただスリ浜から俵小島までは区間の距離が長すぎて、
その元気は保たずクタクタになりました笑
風と波の強さや向きを感じて漕ぐ力を入れたり抜いたり、
湾に進入するたびに変わる景色と海の色を目で追い、
声を掛けてくれた応援の人たちにはありがとうの返事を全力で返しました。
大声が取り柄なもので^_^
俵小島でもバナナをムシャムシャ。
素麺を熱烈に勧めてもらいましたが、
それまでのバナナの食べ過ぎと疲労で頂くことができませんでした。
ここが今回の唯一の自分に負けた点です。
次は素麺も食べます。
俵小島からゴールまでの区間、
奄美シーカヤックマラソンの自分史上最高の漕ぎができました。
頭もクリアで島影からコース取りもバッチリ判断できて
それをトレースしてパドルは力強く回る。
ゴール地点のDJの方にも「力強い漕ぎですー」とアナウンスしてもらえました笑
終始楽しい気持ちで、過去最高に笑顔でゴールラインを通過できました。
ゴール直前
ゴール直前

この写真の瞬間から

2008年のゴール直後。森さんの撮影です。
2008年のゴール直後。森さんの撮影です。

この写真の僕は、11年後のいま、こんな自分になっているとは、

間違いなく思っていません。

当時の自分では想像の範囲を超えています。
良くも悪くも。

ゴールした瞬間、「11年後の自分も悪くないぞ」と、
この時の自分に問いかけました。
僕の人生は、この写真の瞬間から大きく動いたのは間違いありません。
それを実感としてありありと感じられた、今回のレースでした。
この写真を撮影してくださった森さんのホームページです。
http://kudadon.sakura.ne.jp/hp/seakayak/index.html
当時はプリントサービスをしてくださっていて、
この写真を引き延ばしたものをお願いしました。
いつも良いシーンを撮影してくださってありがとうございます!
スコフィッツのメンバーの大活躍に喜び、
友人たちの奮闘を見聞きして大いに刺激をもらいました。
それらの物語はみんなのブログやSNSに譲ることにします。
心に残るものが昇華したり吹っ切れたりしたのかはまだ分かりません。
でも他の機会では感じなかった、スイッチが押された感触はありました。
これから徐々に現れてくるんだと思います。
アヤハブラをこの世に生み出してくれた坪山さんにはいくら感謝しても、
し足りないです。
人生を変えてしまうほどのサーフスキー/カヤックを造る親愛なる我らが親方、
これからもよろしくお願いします。
アヤハブラと僕の次の野望に向けて。
ザキ撮影。ありがとう
ザキ撮影。ありがとう


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